[ オピニオン ]

産業春秋/「車の街」に変化

(2018/1/25 05:00)

愛知県は自動車保有台数が全国1位。行儀の悪い運転マナーを揶揄(やゆ)する“名古屋走り”は困りものだが、車産業の発展とともに歩んできた地域であることは間違いない。

「自動車の街」の形成には、地域の産業構造が影響している。製造業は郊外に工場を構え、従業員の多くは職場近くの一戸建てに住み、車で通勤する。小売業や飲食業も郊外の路面店を重視して店舗展開してきた。

日銀名古屋支店の調査によると、近年は車を前提とした生活に変化の兆しがみられるという。名古屋市中心部や中核都市で駅近くの分譲マンションの開発が進み、高齢者や単身・共働き世帯が駅から遠い一戸建てから住み替えるケースが増えている。

鉄道の利便性の高さから自家用車を手放す人が増え、駐車場設置率を大幅に引き下げた物件も少なくない。免許を持たない若者も増えており、外食や小売業から「路面店舗の集客と従業員確保が厳しくなった」という声が挙がっているという。

人口減少により、今後も郊外から都心部への移動は進む可能性が高い。自動運転や電動化、カーシェアの進展も「車の街」に変化をもたらすだろう。ただその前に、交通事故死者数が15年連続全国1位という汚名は返上したい。

(2018/1/25 05:00)

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