[ 金融・商況 ]
(2018/1/26 23:00)
金融庁、事実関係の調査乗り出す
仮想通貨取引所大手のコインチェック(東京)は26日、取り扱う全通貨の出金を停止したと発表した。ビットコイン以外の新興仮想通貨の売買も停止した。仮想通貨「NEM」の不正引き出しをめぐるトラブルが指摘されており、同社はツイッターなどで「詳細の公表について現在準備を進めている」と説明している。
金融庁も事実関係を調査している。同社ウェブサイトなどによると、26日正午すぎに一部の仮想通貨で売買を停止し、その後、他の通貨も売買を停止しているという。
コインチェックは2012年8月設立。有名タレントを起用したCMなどで注目されていた。
仮想通貨の取引が広がる中、政府は昨年4月、改正資金決済法を施行し、仮想通貨交換業者の登録制度を導入。顧客の資産の分別管理など最低限の顧客保護の仕組みを整えた。コインチェックは登録申請中だった。
業界団体の日本仮想通貨事業者協会によると、NEMはコインチェックを含め国内3社が取引を手掛けている。ビットコインに比べ知名度は低いが、一部で決済にも活用する動きがあるという。15年3月に発行が始まったNEMの時価総額は、昨年8月末時点で2320億円と、ビットコインの3%程度になっている。
東京都渋谷区のコインチェック本社前には26日夕、情報を求める利用者や報道陣が集まり騒然となった。同社に口座を持つ20代の男性は「突然取引が止まり不安だ。早く資金を引き出したい」と語った。
別の男性も「なぜこういうことになったのか、どのように通貨を管理していたのか知りたい」と同社に詳しい説明を求めていた。(時事)
(2018/1/26 23:00)