[ ICT ]
(2018/1/27 16:30)
オッポジャパンはアップルの牙城を崩すために日本の3大キャリアや複数のMVNOと商談を進めている(ブルームバーグ)
世界シェア第4位に成長した中国の新興スマートフォンメーカー「OPPO(オッポ)」が日本に上陸する。2月に日本で最新機種「R11s」の販売を始める。多彩なカメラ機能を武器に、米アップルの「iPhone(アイフォーン)」やソニー、シャープなど日本メーカーもひしめく市場を開拓する。
2017年8月に設立した日本法人「オッポジャパン」の鄧宇辰社長は23日のブルームバーグの取材で、「日本はアジアのブランドの聖地。日本で成功すればオッポのブランド価値が向上し、欧米進出などグローバル戦略にも大きな糧となる」と意気込みを述べた。31日に都内で会見し商品価格や販売チャネルを明らかにする。
日本では昨年までにスマホをどの通信会社でも使える「SIMフリー端末」が解禁された。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3大キャリアによる寡占状態だった市場に多くの仮想移動体通信事業者(MVNO)が参入し、格安スマホへの乗り換えも進んでいる。鄧社長は「日本への参入は今がベストタイミング。むしろ今やらないと乗り遅れてしまう」と話す。
04年に中国の資産家、段永平氏が設立したオッポは16年に初めて中国シェア1位を獲得。世界30カ国でスマホを販売しており、米調査会社IDCによると17年7-9月期の世界のメーカー別シェアでは韓国サムスン電子、アップル、華為技術(ファーウェイ)に次ぐ4位に躍進した。中心価格帯は5万-6万円で高画素数や美顔機能などを備えたカメラ機能が売りで、特に若い世代に人気が高いという。
まず5年以内に4位へ
一方、日本では08年のアイフォーン販売以降、アップルのシェアが徐々に高まり、IDCジャパンによると17年7-9月期の国内スマートフォン出荷台数のメーカー別シェアは4割を占めトップ。次いでソニー(12.1%)、シャープ(11.9%)、京セラ(11.2%)で、世界首位のサムスンはこれらの後塵(こうじん)を拝している。
鄧社長はシンガポールやインドネシアでは参入から3年以内にシェア2位や3位に上り詰めた実績を強調。一方で、日本人のブランド信仰を背景に「日本市場はもう少しかかる」と述べ、5年以内に4位を目指すと述べた。
オッポジャパンの社員数は現在約30人だが、鄧社長は「2年以内に700-800人に拡大したい」と意欲を示した。販売に向けては、日本の3大キャリアのうち2社とは商談が進んでいるという。Y!mobile(ワイモバイル)や楽天モバイルなど複数のMVNOとも協議し、販路拡大を目指す。(ブルームバーグ)
(2018/1/27 16:30)