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[ 商社・流通・サービス ]
(2018/2/4 07:00)
HNAグループの本社ビル(写真右、北京=ブルームバーグ)
事業買収を積極的に仕掛けてきた大手中国企業が競うように資産売却に走っている。債務負担にあえぐ他社も、こうした動きに追随せざるを得なくなる可能性がある。
債務を膨らませている海航集団(HNAグループ)はこれまでに、オーストラリアのオフィスビル1棟や米海運会社の株式の売却を発表。事情に詳しい関係者によると、年央までに資産約1000億元(約1兆7400億円)相当の売却を目指している。
大連万達集団は豪州の不動産プロジェクト2件の売却で合意。事情に詳しい関係者によれば、シカゴとビバリーヒルズに保有する不動産物件の買い手を探している。また、ウォルドーフ・アストリア・ホテルを2014年に19億5000万ドルで買収することで合意した安邦保険集団の株式について、中国当局が売買の仲介を目指していると、関係者が明らかにした。
資金調達の厳しさが増しているのはこれら大手民間企業だけではない。当局が過剰債務の抑制策を強化する中、ニュースの見出しを飾る大手以外にも多くの中国企業が圧力を感じており、中国資産の投げ売りが始まる可能性がある。
S&Pグローバル・レーティングのクレジットアナリスト、クリストファー・リー氏は「多くの企業は債務のコントロールが厳しくなりつつあり、レバレッジ縮小を余儀なくされている」と指摘。「財務力の弱い企業数社が厳しい状況に追い込まれるとみなければならない」と述べた。(ブルームバーグ)
(2018/2/4 07:00)