【電子版】五輪スマホは制裁違反？イラン、配布されず反発 北朝鮮は拒否―平昌五輪

韓国サムスン電子のスマホ「ギャラクシーノート8」（ソウル、AFP＝時事）

五輪仕様、サムスン「ギャラクシーノート8」

　【カイロ時事】イランのスポーツ・青少年省は8日、韓国サムスン電子が平昌五輪に参加する全選手に無償提供している五輪仕様のスマートフォンがイランの選手団に配布されなかったのは「差別だ」と批判し、サムスンなどに謝罪を要求した。国営イラン通信が報じた。

　AFP通信によれば、大会組織委員会は北朝鮮とイランの選手団に対するスマホの提供は国連安保理制裁に違反すると判断し、サムスンの最新機種「ギャラクシーノート8」の配布を見送ることを決定。この措置にイラン側は「イラン国民を代表するアスリートへの侮辱」と猛反発し、駐イラン韓国大使を外務省に呼んで厳重に抗議したという。

　平昌五輪には、イランからアルペンスキーなどに計4人が出場を予定している。

北朝鮮選手団は受け取り拒否

　平昌五輪に参加する全選手に無償提供されるスマートフォンの受け取りを、北朝鮮選手団が拒否したことが9日、分かった。AFP通信が、韓国の聯合ニュースの報道として伝えた。

　提供されるスマホは韓国サムスン電子製の「ギャラクシーノート8」で、大会情報などが取得できる五輪仕様。ただし、北朝鮮の参加選手は大会終了後の返却が提供の条件だった。

　北朝鮮が拒否した理由は不明。北朝鮮では、インターネットアクセスが制限されている。

　スマホの無償提供をめぐっては当初、国連制裁に反するとして、北朝鮮とイランの選手団への配布が見送られる方針だった。国際オリンピック委員会（IOC）は8日、イランの選手は返却の必要がないことを明らかにしていた。（AFP＝時事）