AITOYA、「みちびき」活用地盤観測の小型版投入

(2024/12/3 05:00)

AITOYA(東京都新宿区、町村昌紀社長)は、土砂災害や防災・減災を支援する地盤観測システムに小型版を追加する。日本の準天頂衛星システム「みちびき」のセンチメートル級測位補強サービス(CLAS)を活用。従来のリアルタイムキネマティック(RTK)測位で必要だった基準局なしに、高精度位置情報を取得できる。2025年1月にも鉄道や道路、電力などインフラ関連企業、自治体、損保会社にレンタル提供し、年間10社の利用を目指す。

  • 簡易な機器で構成される小型版(試作機㊧と電源装置㊨) 

小型版「ichidori(イチドリ)シュービル タイプA」は、みちびきのCLASで高精度位置情報を取得し、地盤の動態を観測する。小型の観測局と電源装置、パソコン上で使う可視化ソフトといった簡易な機器で構成し、容易に設置できる。簡易な地盤計測ニーズに応える。計測したデータはLTE回線でクラウドに随時送信する。現場の担当者はパソコンに搭載した可視化ソフトを使い、計測データをグラフ化して分析し、詳細な動態状況を常時確認できる。

AITOYAは独自に回路基板などを設計開発し、小型観測機の試作機を完成した。現状は1カ所当たり30分間の計測を1日に4回ほど行うような利用を想定。外部の協力会社に製造委託し、25年1月にもレンタル形式で提供する。利用価格は初期費用が約50万円で、月額の1台当たりレンタル費用が約5万円(電源、可視化ソフト、クラウド利用費含む)。

従来の「同タイプB」は高精度測位のRTKを使い最大8点を計測でき、盛り土や切り土など大規模な地盤観測にも使われている。小型版を加え、簡易的な地盤計測の潜在需要を取り込む。

(2024/12/3 05:00)

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