[ 人物 ]
(2018/2/10 07:00)
政府が4月に任期満了を迎える黒田東彦日銀総裁(73)を再任する方針を固めたことが9日、分かった。景気回復を導いた大規模な金融緩和を高く評価。デフレからの完全脱却に向け続投が望ましいと判断した。現在の緩和路線は当面継続される見通しだが、金融政策の正常化が課題になる。再任は約60年ぶり。
日銀総裁は衆参両院の同意を得て、内閣が任命する。任期は5年。政府は月内にも今国会に人事案を提示する。2人の副総裁のうち1人は、雨宮正佳理事を昇格させる方向で調整している。
黒田氏は、就任直後の2013年4月に資金供給量を2年で2倍に増やす「異次元緩和」を決め、円安・株高を演出した。その後もマイナス金利政策や、短期と長期の金利を操作する政策などを次々に繰り出し、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」をけん引してきた。
日銀総裁人事をめぐっては、黒田氏が再任されれば5年の任期満了時点で78歳となるため、高齢が問題になるとの見方も一部にあった。再任は1956年から64年まで務めた故山際正道氏以来だが、過去に2期10年を満了した総裁はいない。(時事)
(2018/2/10 07:00)