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[ 化学・金属・繊維 ]
(2018/2/13 05:00)
【名古屋】ノリタケカンパニーリミテドは溶媒に均等に分散させやすい直径50ナノ―400ナノメートル(ナノは10億分の1)の球状のチタン酸バリウム粒子(フィラー)を開発し、サンプル出荷を始めた。任意の粒径にでき、製法は二酸化ケイ素(シリカ)や酸化チタンにも応用できる。レンズなどの光学系部品や電子部品など、さまざまな機能部品の高性能化が期待できる。PRを本格化してユーザーを開拓し早期の実用化を図る。
同フィラーは1ロットの粒径分布が同50ナノ―400ナノメートル間で10―20%と、高い精度で粒径をそろえられる。球状のため光の透過や反射、屈折を制御しやすく、高品質のレンズや反射板の添加剤やコーティング材に利用できる。
環境や人体に無害の高分子ポリビニルピロリドンを任意の大きさでカゴ状の球体に成形する技術を開発。さらに液相法によりこのカゴの中にチタン酸バリウムのフィラーを成長させる独自技術を開発した。ポリビニルピロリドンの被膜により水やエタノールなどの溶媒との親和性も高い。
チタン酸バリウムは高い比誘電率を持ち、電子部品材料に使用されている。大きい粒子を砕く製法が主流で、形状も粒度もばらばらで光学系材料には利用しにくかった。フィラー自体が凝集しやすく、樹脂材料などへ均等に分散させるのも難しかった。
また光学系材料に使われる酸化チタンは触媒作用がある。チタン酸バリウムに切り替えると樹脂材料への悪影響を避けられる。
(2018/2/13 05:00)