[ オピニオン ]
(2018/2/22 05:00)
北九州市が地域活性化の切り札として進める洋上風力発電計画が動きだした。同市内では石炭・バイオマス混焼火力発電所の新設も計画されており、国内屈指のエネルギー生産拠点の誕生に期待したい。
計画では九州電力子会社の九電みらいエナジー(福岡市中央区)や電源開発(Jパワー)、西部ガスなどが出資する「ひびきウインドエナジー」(北九州市若松区)が発電施設の設置や運営を行う。北九州市が40万平方メートル規模の港湾施設を提供し、ウインドエナジーが各種調査から運転までを担う。
すでに同市響灘地区で海域や風況調査を始めており、2022年度には発電施設の建設工事を開始、順次運転を始める。
洋上風力発電は北海道、福島県、千葉県など全国で同様の実験が行われている。北九州は国内最大規模となる44基の風車を設置。18万世帯分の年間電力需要に相当する約22万キロワットを生産する。総投資額も1750億円と巨額だ。
東日本大震災以降、全国の原子力発電所のほとんどは休止状態が続く。再生可能エネルギーに期待が高まるが、太陽光、風力、地熱などはいずれも価格や出力などの面で不安定な要素が大きく、年間発電電力量は水力を含めても12%程度にとどまるという。
四方を海に囲まれる日本にとって、洋上風力発電は再生可能エネルギーの中でも重要な電源になり得ると期待される。陸上に比べて風況が良く、住宅地から遠いため騒音被害が少ない。英国やドイツなど先行する欧州各国を手本に、各地が導入を競っており、北九州市もその一つだ。
北九州市は九州最大のモノづくりの街である。深刻な公害を克服して、早くから環境モデル都市に選ばれるなど、環境問題に対する思い入れは強い。
「風力発電で世界最大級の拠点形成を目指す。関連産業の集積や雇用創出にも期待している」と北橋健治市長は話す。乗り越えるべき課題はあるかもしれないが、まずは挑戦する姿勢にエールを送りたい。
(2018/2/22 05:00)
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