[ ICT ]
(2018/2/22 14:30)
終わりなき再建の道のり、無担保ジャンク債1600億円
ソフトバンクグループ傘下で米携帯電話事業者4位のスプリントの最高財務責任者(CFO)が交代して1カ月、ミシェル・コンブ新CFOはジャンク債市場に足を踏み入れた。これは資金繰りに苦しむ以前のスプリントに逆戻りする動きで、親会社のソフトバンクには今のところ資金を提供する考えがないことを表している。
スプリントは20日、2026年償還の無担保ジャンク債を15億ドル(約1600億円)発行。金利が上昇しても同社はこれを買い戻すことはできない。ジャンク債の起債は3年ぶりで、同社の既発債には圧力がかかる。
前CFOのタレク・ロビアッティ氏は約60億ドルのコスト削減を手掛け、電波ライセンスのような資産をローンの担保に活用してスプリントの資金調達手段に創造性を与えた。マルセロ・クラウレ最高経営責任者(CEO)が「史上最大の復活」を約束する中、現金の注入はプレッシャーの緩和に役立った。ただ、契約者の増加のような領域で改善は見られたものの、同社は10年にわたり損失を計上している。
レコン・アナリティクスのロジャー・エントナー氏は「スプリントの再建はあまりにも時間がかかり過ぎで、むしろ空回りしている。終わりが見えない」と語った。
ギミー・クレジットの債券アナリスト、デーブ・ノボセル氏は「スプリントは契約者増など一部の領域ではうまくやっているが、われわれが重視している負債の部分ではフリーキャッシュフローが不足している」と指摘。「ある時点でキャッシュを生み出す必要があり、さもないと結局債券市場に戻ることになる。それが続いた場合、市場がいつかスプリントを見限っても驚きはないだろう」と述べた。
スプリントの担当者にコメントを求めたがこれまでのところ返答はない。(ブルームバーグ)
(2018/2/22 14:30)