[ ICT ]
(2018/3/1 10:30)
ゴールドマン・サックスのアナリストらは、ヤフーが自己株式取得する際の上限分配可能額は約9600億円と指摘した(ブルームバーグ)
米アルタバは27日(米国時間)、同国の税制改正を踏まえ、保有するヤフーの株式を4月以降に売却する方針を示した。これを受け28日の東京市場ではヤフー株が急落。多額の剰余金を持つヤフーがどう動くかに関心が集まっている。
電話会議の内容を記載した資料によると、アルタバのトーマス・マキナニー最高経営責任者(CEO)は、ヤフー株を現金化する方針を示した上で、「われわれにとって直ちに利用可能な唯一のオプション」とし、税制改正の影響を鑑みて4-6月に市場での売却開始を見込んでいると話した。
ヤフーIR担当の山口陽平氏はブルームバーグの取材に対し、自社株買いを含め、あらゆる選択肢を検討しているが、現時点では何も決定していないと述べた。アルタバ幹部と協議を深めながら決定するとしている。
28日のヤフー株は一時前日比9.6%安の483円と2017年4月下旬以来、約10カ月ぶりの日中下落率を記録した。終値は7.1%安の496円。売買代金は東証1部市場で第7位の約318億円に膨らんだ。ヤフーの大株主はソフトバンクグループの43%に次いでアルタバが35.56%など。
みず証券の岩佐慎介シニアアナリストは28日付のリポートで、アルタバのマキナニーCEOの発言について、市場売却の体制を整え、ヤフー株をできるだけまとめて売却したいものの、現時点では有効な手段が見えていないと解釈されると述べた。
ゴールドマン・サックスの杉山賢アナリストらは同日のリポートで、ヤフーは決算説明などでアルタバによる株式売却に対してさまざまな選択肢を用意すると表明していることを紹介。ヤフーが自己株式を取得する際に上限となる分配可能額はおおむね利益剰余金と同じ約9600億円と指摘した。時価総額は約2兆8700億円。(ブルームバーグ)
(2018/3/1 10:30)