[ 政治・経済 ]
(2018/3/1 19:00)
企業の内部留保は昨年末時点で過去最大の417兆2895億円。依然として投資や賃上げに慎重な企業姿勢が際立つ結果となった(ブルームバーグ)
財務省が1日公表した2017年10-12月期の法人企業統計調査によると、企業がため込んだ「内部留保」は12月末時点で前年比11.2%増の417兆2895億円と、四半期ごとの調査で過去最大となった。景気回復を受けて業績が拡大しながら、投資や賃上げに依然として慎重な企業の姿勢が際立っている。
内部留保は、企業の利益から税金や配当金など社外への流出分を差し引いた残りを積み上げたもの。経済の好循環実現のため、政府は18年度の税制改正で賃上げや投資に積極的な企業を対象に減税を実施する方針で、企業に内部留保の活用を促していく構えだ。
17年10-12月期の設備投資は前年同期比4.3%増の11兆4000億円と5四半期連続でプラスとなったものの、リーマン・ショック前の水準には届いていない。大和総研の近藤智也シニアエコノミストは「省人化やインバウンド需要への対応など投資のインセンティブは多いが、先行きはまだ楽観できず、企業の(投資)マインドはそこまで明るくなっていない」と指摘する。
四半期ごとの法人企業統計は、資本金1000万円以上の企業が対象。全企業が対象の年度別調査では、内部留保は16年度(406兆2348億円)まで5年連続で過去最高を更新している。(時事)
(2018/3/1 19:00)