[ ロボット ]
(2018/3/14 14:30)
米グーグル共同創業者のラリー・ペイジ氏(現アルファベットCEO)が支援する空飛ぶ自動運転タクシーのスタートアップが、試作機の動画を13日に公開した。小ぶりの回転翼でヘリコプターのように垂直に離着陸し、本体後部のプロペラで水平に飛行する方式を採用。ニュージーランド(NZ)政府の協力を受け、同国内で2017年10月から飛行試験を実施している。
この飛行機はカリフォルニア州マウンテンビューに本社を置くキティホークが開発中の「コーラ(Cora)」。2人乗りの全電動飛行機で、固定翼の部分に上向きに取り付けた計12個の回転翼で垂直離着陸する。滑走路が不要で、建物の屋上からでも離陸できるという。すでに、試験飛行についての耐空証明をNZ民間航空局(CAA)と米連邦航空局(FAA)から取得済み。CAAと協力しながらエアタクシーサービスの商業化を目指す。
コーラの仕様は翼長11メートル。12個の回転翼はそれぞれ独立したモーターで駆動され、1個のモーターのトラブルがほかの回転翼に影響を及ぼさないようにした。飛行速度は時速約180キロメートル、飛行距離は100キロメートル。
キティホークのCEOを務めるのはセバスチャン・スラン氏。グーグルの先端技術開発部門であるX(旧グーグルX)を創設し、自動運転車や「グーグルグラス」などの開発プロジェクトを主導した人物として知られる。
空飛ぶ自動運転タクシーを巡っては、参入が相次いでいる。インテルが支援する独ボロコプター(Volocopter)は1月に米ラスベガスで開かれたCESで2人乗りのプロトタイプを披露。欧エアバスがシリコンバレーで開発を進めてきた「バハナ」(Vahana)は2月にオレゴン州で初のテスト飛行に成功した。また、16年のCESで1人乗り自動運転ドローン「184」を発表した中国イーハン(Ehang)は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ政府と協力し、商業化を目指している。
(2018/3/14 14:30)