[ 政治・経済 ]
(2018/3/23 14:30)
【北京時事】中国商務省は23日、米国産豚肉などに高関税を適用する対米報復措置を発表した。これまで中国は対話優先の貿易摩擦解消を掲げ、具体的な報復策に触れていなかったが、方針を転換した。米中間で報復の応酬がエスカレートして貿易戦争に突入する可能性が一気に高まってきた。
報復対象は128品目に及び、2017年の輸入総額で30億ドル(約3100億円)分に上る。第1弾として果物、ワイン、継ぎ目なし鋼管(シームレスパイプ)などに15%、第2弾として豚肉やリサイクルアルミに25%の関税をそれぞれ適用する。
今回は安全保障上の脅威を理由にした23日発動の鉄鋼・アルミ輸入制限に対する報復。今月末まで企業などから意見聴取を行うと説明している。
一方、同省は知的財産権侵害をめぐる対中制裁についても報復する用意があることを明らかにした。「貿易戦争を決して恐れない。既に十分な準備ができている」と強調した。
ただ、中国は依然として対米協議の余地を残しており、トランプ米政権が譲歩すれば報復を見送る構え。2期目の習近平政権で対米政策を担うとされる王岐山国家副主席と劉鶴副首相が、米政権と水面下でぎりぎりの交渉を進めるとみられる。
(2018/3/23 14:30)