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[ 科学技術・大学 ]
(2018/3/27 05:00)
千葉大学環境リモートセンシング研究センターの近藤雅征特任助教らは、森林伐採による二酸化炭素(CO2)排出が、自然の気候変動によって相殺されたことを世界で初めて示した。東南アジア陸域での過去30年間の炭素収支を解析し、CO2の吸収と排出の変動要因を明らかにした。地球温暖化現象を理解し、対策を考えるための重要な知見となる。海洋研究開発機構、国立環境研究所、気象庁気象研究所との共同研究となる。
東南アジアでは1980年代以降、大規模な森林伐採が続いた。研究グループは、こうした土地利用変化の影響について、生態系による炭素収支量を計算する数値モデルに組み込み、解析した。その結果、80―90年代に見られたCO2排出傾向が、2000年代に大幅に緩和されていた。
90年代は、エルニーニョ現象による干ばつから大規模な森林火災が複数回起こり、突発的にCO2排出が大幅に増加。高温、渇水により、光合成も阻害された。
一方、00年代は強いエルニーニョ現象が起こらなかった。こうした気候による効果が、人為的活動によるCO2排出を相殺し、吸収側に寄与したと考えられる。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次報告書では、土地利用変化の影響は考慮されていないため、東南アジア全域でCO2は吸収傾向にあるとされている。研究グループは、新しい数値モデルの解析により、東南アジアの広範囲で排出傾向にあることを指摘した。
(2018/3/27 05:00)
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