[ ICT ]
(2018/4/3 07:30)
米アップルはコンピューター「Mac(マック)」の半導体に関して、早ければ2020年から現在のインテル製に代わり自社製を搭載する計画だと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
この計画はまだ初期段階だが、マックや「iPhone(アイフォーン)」、「iPad(アイパッド)」を含むアップルの機器全てをより同調させ、切れ目なく動作させることを狙った戦略の一環となる。関係者らは、情報が公になっていないとして匿名を条件に語った。経営幹部はこのプロジェクトを承認しており、移行は数段階にわたって行われる可能性が高い。
アップルが自社製半導体に移行すれば、インテルには大きな打撃だ。ブルームバーグのサプライチェーン分析によれば、インテルの年間売上高の約5%をアップルが占める。
2日の米株式市場でインテルの株価は一時9.2%下落し、日中ベースでは約2年ぶりの大幅安となった。終値は6.1%安。
アップルがこの計画を断念したり、移行を遅らせたりすることが理論上はまだ可能だ。アップルはコメントを控えた。インテルは「当社顧客に関する臆測にはコメントしない」としている。
アップルにとって、自社製半導体への切り替えは決定的な瞬間になる。現在、アイフォーンやアイパッド、「アップルウオッチ」、「アップルTV」は全て、アップルが設計しアーム・ホールディングスの技術に基づくメインプロセッサーを使用している。マックに搭載のチップも自社製に移行すれば、アップルはインテル製半導体の計画に左右されずに自社のスケジュールで新機種を発表できる。
クロス・リサーチのアナリスト、シャノン・クロス氏は「アップルは自社のハードウエアとソフトウエア・プラットフォームをさらに統合する方法を検討していると思う。アップルは明らかにこの分野で前進し、iOSとmacOSの統合を試みている」と指摘。「この方向に行くのは理にかなう。研究開発費の増加に注目すれば、競争上の差別化に向けて機能性を高められるよう部品の垂直的統合を目指す方向に進んでいる」と分析した。(ブルームバーグ)
(2018/4/3 07:30)