[ 人物 ]
(2018/4/7 05:00)
住友金属鉱山は6日、6月下旬の株主総会後に野崎明取締役常務執行役員(57)が社長に昇格する人事を内定したと発表した。中里佳明社長(64)は代表権のある会長に就く。現在の3カ年中期経営計画が2018年度で最終年度となる中、経営を刷新し、新体制の下で19~21年度の次期中計の策定に取り組む。
中里社長は現中計を振り返り「成長戦略への種は仕込んだ。自由闊達(かったつ)な風土を引き続き浸透させ、活力ある組織を築いてほしい」と新体制への期待を表明。社長と会長の役割分担については「あくまで経営の最高責任者は社長」とした上で「材料事業が拡大するにつれて社外の顧客との付き合いも広がっている。(会長として)社長の仕事を支えていきたい」と述べた。
野崎次期社長は資源・製錬事業の成長戦略について「特に当社が得意とするニッケル事業の強化が今後も課題になる」と説明。「長期ビジョンに掲げる『世界の非鉄リーダー』日本のエクセレントカンパニー』を目指し、努力を続ける」と意欲を示した。
【略歴】野崎 明氏(のざき・あきら)84年(昭59)早大商卒、同年住友金属鉱山入社。13年執行役員、14年取締役執行役員、16年取締役常務執行役員。東京都出身。
【素顔/住友金属鉱山社長に就任する野崎明氏「営業とは世代を超えた恩義の貸し借り」】
バックボーンは財務・経理。30代のころは米国の銅鉱山やオランダ企業との合弁会社に勤務し「外国人との付き合い方を学んだ」。40代の終盤はニッケルの営業を経験。「営業とは単にモノやサービスを売るのではなく、世代を超えた恩義の貸し借りなのだと実感し、今も自分の礎になっている」と語る。
経営トップに就くにあたり「トップから拠点長、現場の第一線の社員までが長期ビジョンや戦略を理解し、事業環境の変化に応じ機敏に実行、変更するプロアクティブな経営を目指す」と強調。中里佳明社長は野崎次期社長の人柄について「冷静沈着で、幅広い経験としっかりとした判断基準を持っている」と評価し、経営者としての手腕に期待する。
趣味は絵画鑑賞。仕事で海外を訪問した際なども、時間を見つけて美術館巡りに繰り出す。休日は「ビデオ鑑賞などでのんびり過ごすことが多い」とか。(斉藤陽一)
(2018/4/7 05:00)