[ 政治・経済 ]
(2018/4/10 12:00)
米議会予算局(CBO)によると、米財政赤字は従来予想より2年早い2020会計年度(19年10月-20年9月)までに、1兆ドル(約107兆円)を超える見通しだ。トランプ米大統領が署名した減税や歳出拡大には、長期的な経済成長率を押し上げる効果はほとんどないという。
CBOは9日の報告書で、18年度の財政赤字は8040億ドルと、昨年6月時点の予測5630億ドルから大幅に増加する見通しを示した。19年度には9810億ドルに達する見通し。従来予想は6890億ドルだった。昨年6月のCBOの報告書では、米財政赤字が1兆ドルを超えるのは22年度と見込まれていた。
トランプ政権は今年、税制改革法を施行したため、連邦政府の歳入が減る見通しである一方、議会は約3000億ドルの歳出拡大を承認した。最新のCBO予測は、米中両国による関税合戦が世界経済に与える影響を見極めようとしている投資家の不安をさらに高めかねない。
新しい予測
CBOの報告書には税制改革の影響に関する新たな見通しが盛り込まれた。マクロ経済効果と債務返済費用の増加を考慮すると、今後11年間で財政赤字を約1兆9000億ドル増加させる見通し。昨年12月に上下両院税制合同委員会が示した試算では、税制改革パッケージにより連邦政府の歳入は向こう10年で約1兆1000億ドル減少するとされていた。
CBOの予測では、2018年の実質国内総生産(GDP)は10-12月(第4四半期)の前年同期比ベースで3.3%増、19年は2.4%増、20年は1.8%増となる見通し。CBOは昨年6月時点で今年の伸び率を2%と見込んでいた。フェデラルファンド(FF)金利は18年第4四半期時点で2.4%、19年末までに3.4%、21年に4%でピークを付けると予想。失業率は19年(年平均ベース)に3.3%と今年の3.8%から低下を見込む。(ブルームバーグ)
(2018/4/10 12:00)