[ ICT ]
(2018/4/12 17:00)
中国当局は、ニュースアプリで急成長しているインターネット新興企業、今日頭条に対し同社のジョーク共有アプリ「内涵段子」を閉鎖し、ソーシャルメディア「微信」上にある同アプリのアカウントを削除するよう命じた。
政府は9日、今日頭条やテンセント・ホールディングス(騰訊)などの企業が提供している4つのニュースアプリのダウンロード停止を要求し、新たなインターネット上のコンテンツ検閲策に乗り出した。
今日頭条の正式社名は北京字節跳動科技だが、「今日頭条」は中国人の生活に欠かせないニュースアプリとなっており、社名として呼ばれることが多い。内涵段子は際どいジョークや動画の共有などで一部で熱狂的な人気を得ていたが、微信のアカウントは10日までに閉鎖された。
11日には、今日頭条の音楽をテーマとした動画プラットフォーム「抖音」がライブストリーミング機能の停止を命じられたと報じられた。同社の価値は200億ドル(約2兆1400億円)余りとの評価を受け、世界最大級のメディアを扱うスタートアップ企業の1社。
中国政府は定期的にメディア企業を調べ、政府批判や際どいコンテンツを掲載しているソーシャルメディアやインターネットのプラットフォームを処分している。今回の検閲調査では、今日頭条が最もやり玉に挙げられているもようで、同名のニュースアプリが各種アプリストアからダウンロードすることが一時的に禁止されたと地元メディアが伝えた。テンセントとネットイース(網易)、フェニックスニュースのアプリもまた短期的なダウンロード停止対象になったという。
今日頭条の張一鳴最高経営責任者(CEO)は11日、微信の同社公式アカウントへの投稿を通じ、政府に宛てた長文の謝罪文を掲載。禁じられたコンテンツを削除する要員を6000人から1万人に増やすと説明するとともに、禁止コンテンツの投稿者のブラックリスト作成や検閲を支えるテクノロジー改善に取り組むと表明した。(ブルームバーグ)
(2018/4/12 17:00)