[ 政治・経済 ]
(2018/4/17 15:00)
【北京時事】中国国家統計局が17日発表した1~3月期の国内総生産(GDP)は、物価変動の影響を除いた実質ベースで前年同期比6.8%増加した。3期連続で同じ伸び率を確保した。2018年の年間成長率目標に掲げる「6.5%前後」を上回り、中国経済の底堅さが改めて示された。幅広い投資動向をカバーする都市部固定資産投資は7.5%増だった。
ただ、米中貿易摩擦が激しさを増せば、対米輸出の落ち込みにより、製造業を中心に経済全体が深刻な打撃を受ける恐れがある。米国は中国にとって最大の輸出相手国で、失業者の増加も懸念される情勢だ。
中国は「既に高速成長の段階から質の高い発展を目指す段階へと切り替わっている」(習近平国家主席)との認識に基づき、大気汚染や債務の抑制を急ぐ方針。しかし、輸出不振に陥れば、成長優先の経済政策に逆戻りせざるを得なくなる。
17年の成長率は6.9%と10年以来7年ぶりに前年を上回ったが、18年は6.5%近くになる見通し。米中間の報復合戦がエスカレートした場合、成長目標を達成できない可能性も出てくる。中国経済が変調を来せば、日本を含む世界に影響が及ぶのは必至とみられている。
同時に発表された3月の鉱工業生産は前年同月比6.0%増に鈍ったが、個人消費を示す小売売上高は10.1%増に加速した。
(2018/4/17 15:00)