[ オピニオン ]

産業春秋/知財と事業の一体経営

(2018/4/18 05:00)

日本で特許制度が導入され130年余を数える。1885年4月18日、現在の特許法の前身である「専売特許条例」が、初代特許庁長官を務めた高橋是清らにより公布されたのが始まりだ。これにちなみ、4月18日が「発明の日」となった。

特許制度の導入で、多くの発明者や研究者が知恵を絞り、特許を生みだし、私たちの生活を便利にしてきた。経済成長を支える原動力となった。

一方、日本企業の経営環境は年々厳しくなってきた。液晶パネルやカーナビゲーションシステムなどは、日本企業が技術開発をリードし、一時世界シェアをほぼ独占した。その後、数年という短期間でシェアを急激に失い、アジア勢との競合で苦戦を強いられている。

この製品群に関わった日本企業は、技術開発で圧倒的な力を示したが、特許取得などの知的財産戦略を軽視したとの見方もある。

実態は違って、技術のコモデティー化により、特許以外の要因で、シェアが決まっていく。機能性でなく、デザイン性や製品寿命など付加価値を重視する。ただ、技術のコモデティー化が起きない分野は、技術開発と知財戦略でシェア獲得も可能ではないか。知財と事業の両戦略を一体化した経営が求められている。

(2018/4/18 05:00)

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