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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/4/17 19:30)
【北京時事】中国政府は17日、2022年までに自動車生産の外資出資規制を全廃すると発表した。中国企業との折半出資を強いられていた外国の自動車メーカーは、全額出資が可能となり、自由に経営ができる。「貿易戦争」回避に向け、中国がトランプ米政権の注文を受け入れた形だが、これで米国の市場開放要求が収まるかどうかは不透明だ。
国家発展改革委員会は「5年の過渡期を経て(出資などの)全ての規制を撤廃する」と説明。18年に電気自動車(EV)など、20年に商用車、22年に乗用車に関し、それぞれ制限をなくす計画を示した。
米政権は早ければ今週中に中国に対する追加貿易制裁の具体的内容を発表すると伝えられる。中国はこれに報復する方針で、摩擦激化が不可避の情勢となりつつある中、習近平国家主席は今月10日の演説で、出資規制を早期に緩和すると約束した。米政権は、強制的な合弁事業が技術流出を招く懸念もあるため、たびたび批判してきた。
中国は、外国メーカー1社が設立できる合弁自動車会社を原則2社までとしてきた制限も取り払う。また、船舶と航空機の生産でも、18年に出資規制をなくす。
一方、中国に進出する外国メーカーの中には「中国側合弁相手とは良好な関係を築いており、全額出資に切り替える考えは現時点ではない」(日系大手)との声も聞かれる。各メーカーとも、世界最大の自動車市場である中国で、自社の戦略に基づいた判断を迫られそうだ。
(2018/4/17 19:30)