[ 政治・経済 ]
(2018/4/21 07:00)
【ワシントン時事】米ワシントンで開かれていた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は20日午後(日本時間21日未明)、閉幕した。保護主義的な通商政策が世界経済のリスクになっていると認めつつも、反保護主義の確認には至らなかった。激化する米国と中国の貿易摩擦についても議論を回避した。前回会合から1カ月しかたっておらず、共同声明発表は見送った。
会合では、トランプ米大統領が鉄鋼・アルミニウムの輸入制限を発動したことを念頭に保護主義的な政策を懸念する声が相次いだが、国内産業の保護を重視する米国との議論は平行線をたどったとみられる。世界経済については、引き続き改善しているとの認識を示した。
終了後に記者会見したドゥホブネ議長(アルゼンチン財務相)は、自由貿易が成長を生み出すとの認識では一致したものの、保護主義をめぐっては「見解の相違がある」と説明。3月の前回会合で再確認した「保護主義と闘う」とのG20首脳宣言の文言についても、言及しなかった。
同議長は、世界経済の下振れ要因として、地政学リスクや金融引き締めに加え、保護主義など「内向き志向の政策」を挙げた。「G20は世界貿易機関(WTO)ではない」とも語り、米中摩擦の解決で果たせる役割には限界があると認めた。
日本からは麻生太郎財務相と黒田東彦日銀総裁が出席した。両氏は20日夜(日本時間21日朝)記者会見する。
(2018/4/21 07:00)