[ 政治・経済 ]
(2018/4/23 08:00)
トランプ米大統領は22日、北朝鮮との交渉がどう進展するかは「時間がたたなければ分からない」と述べた。歴史的な米朝首脳会談を前に北朝鮮が表明した公約に対し米議員から懐疑的な声が聞かれる中、大統領はこれまでの楽観的な発言をトーンダウンさせた。
トランプ大統領はツイッターで、「北朝鮮については結論には程遠い。うまくいくかもしれないし、そうでないかもしれない。時間がたたなければ分からない」とコメント。「しかし、私が今取り掛かって仕事はずいぶん前に成し遂げられているべきだった!」と付け加えた。
大統領はこれより先のツイートで、北朝鮮との交渉で米国が譲歩したとNBCのジャーナリスト、チャック・トッド氏が示唆したことを批判。「われわれは何も与えてはいないし、彼らは(世界にとってとても素晴らしいことに)非核化と実験場廃棄、実験中止に同意した!」と述べた。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は20日、核実験を中止すると表明。米朝首脳会談に向けて雰囲気を和らげることを狙った象徴的意思表示と受け止められた。トランプ大統領はこれを「大きな進展だ」と評価し、5月か6月に開催される可能性のある米朝首脳会談を楽しみにしていると述べていた。
国営朝鮮中央通信(KCNA)によると、金委員長は20日の朝鮮労働党中央委員会総会で、核兵器構築目標の達成を受け、核爆弾と大陸間弾道ミサイル(ICBM)の実験を中止すると表明した。北朝鮮は昨年9月に行われた水爆実験の後に破損したと考えられている豊渓里実験場を閉鎖する。ただ、KCNAは「非核化」という言葉の使用は避けており、金委員長は推定60発の核爆弾と保有数不明のICBMの放棄は約束していない。
ホワイトハウスのマーク・ショート議会担当補佐官は、北朝鮮に関してトランプ政権は「慎重に楽観」していると述べ、北朝鮮との交渉が継続中であることは、 ポンペオ中央情報局(CIA)長官の国務長官指名の上院承認採決を急ぐ必要性を裏付けたとNBCの番組で語った。ポンペオ氏は最近、米朝首脳会談の準備のため極秘で訪朝していた。(ブルームバーグ)
(2018/4/23 08:00)