[ オピニオン ]
(2018/4/24 05:00)
いきなりお金の話で恐縮だが、「京都賞」の賞金が一気に2倍に増額され、1部門ごとに1億円となった。ノーベル賞(賞金900万スウェーデンクローネ=約1億円)やチューリング賞(100万ドル=約1億円)など世界的に著名な賞と同じレベルだ。
同賞は、京セラ創業者の稲盛和夫氏が創立した稲盛財団の国際賞。毎年、先端技術、基礎科学、思想・芸術の3部門でそれぞれ1人に贈賞する。2019年の創立35周年に先駆け、18年の受賞者から増額した。
稲盛理事長の人生哲学に人を思いやり社会を真に豊かにする「利他の心」がある。稲盛理事長は「京都賞は日本人の美徳である利他の心を顕彰事業に体現させた。大いなる貢献をしてきた受賞者が輝き続けることを願って増額した。人類に勇気や希望を与える役割を果たしたい」としている。
実際に賞金をもとに基金を設けている受賞者も数多く、社会還元の実践で輝き続けている。
同財団は若手研究者も助成し、毎年50人に100万円を贈る。今年の対象者に聞くと「研究費はありがたい。京都賞の賞金増額で同賞への意欲はさらに増す」と正直に語ってくれた。彼らが京都賞を受賞するころは利他の心の循環はさらに輝いていることだろう。
(2018/4/24 05:00)