[ 科学技術・大学 ]

【電子版】インターステラの小型ロケット、夏以降に延期 「MOMO」2号機

(2018/4/30 20:00)

  • 小型ロケット「モモ」2号機について説明するインターステラテクノロジズの稲川貴大社長(左)と堀江貴文取締役(30日午前、北海道大樹町=時事)

 北海道大樹町のベンチャー企業「インターステラテクノロジズ」(IST)は30日、小型観測ロケット「MOMO(モモ)」2号機の打ち上げを、夏以降に延期すると発表した。4月28日以降、同町で準備を進めていたが、機体の不具合が分かり、発射を断念した。

 ISTは昨年7月30日にモモの1号機を打ち上げたが、66秒後に通信が途絶えてエンジンを停止。高度は約20キロメートルにとどまり、目標の100キロメートルに達しなかった。

 今回は2号機で再挑戦を目指したが、機体のバルブ駆動用の窒素ガスが漏れる問題点が見つかり、当面解消できないと判断した。

 ISTの稲川貴大社長は30日朝の記者会見で、「根本的な原因の特定がもう少し必要で、(次の打ち上げを)6月以降の夏にかけて再設定することもある」と説明していた。(時事)

「民間初」険しい道 2号機 仕切り直し

 北海道のベンチャー企業が再挑戦を目指した小型ロケットの2号機は、不発に終わった。民間単独開発のロケットとして、国内初の宇宙到達を目標に掲げた「MOMO(モモ)」。今回は打ち上げを断念し、仕切り直しとなった。

 昨年7月に打ち上げた1号機は高度約20キロメートルにとどまって宇宙空間(高度100キロメートル以上)に届かず、改良を重ねたはずの2号機は発射直前に足踏み。バルブなどを駆動するための窒素ガスが漏れており、数日間では解決できなかった。

 宇宙ベンチャー、インターステラテクノロジズ(IST)の創業者で取締役の堀江貴文さんは、「ロケットのコストを大幅に下げることも念頭にあり、その辺から出たトラブルかもしれない」と指摘した。

 ISTのロケット開発は、汎用(はんよう)部品を多用することが特徴の一つ。ところが問題が発生すると、原因究明を含めて特徴がマイナスに働くという。それでも堀江さんは「そこをクリアにすることも、われわれの使命」と断言した。

 ISTがある大樹町は、30年以上にわたって「宇宙のまちづくり」を目指している。町の職員らは、今回も早朝から深夜まで連休を返上してバックアップ。稲川貴大社長は「町を挙げて協力していただいている。本当にありがたい」と改めて感謝の言葉を述べた。(時事)

(2018/4/30 20:00)

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