[ 政治・経済 ]
(2018/5/8 21:00)
中国の李克強首相は8日、公賓として2013年3月の就任以来初めて日本を訪れた。中国首相の来日は11年5月の温家宝氏以来7年ぶりで、公式訪問としては8年ぶり。
李首相は9日、日中韓首脳会談や安倍晋三首相との会談に臨む。10日午前に天皇陛下や衆参両院議長らを表敬訪問し、午後に北海道入り。11日には道県知事や中国の省長が集まる会議でスピーチを行い、現地視察を終えて帰国する。
李首相は3月の記者会見で「日中関係の基礎を突き固めることが重要だ」と強調。両政府は、李首相来日を安倍首相訪中、習近平国家主席来日という次の首脳相互訪問につなげ、関係改善の流れを一層推進する意向で一致する。
米朝首脳会談を控えた今回の一連の会談では、北朝鮮の非核化が大きなテーマ。3月末の中朝首脳会談後に北朝鮮と急接近している中国側は、北朝鮮の体制や主張を擁護しており、日韓と一部で足並みがそろわない可能性がある。
中国側は、今回の李首相来日では「主要なことは朝鮮半島情勢ではなく(日中韓)3カ国の協力」(孔鉉佑外務次官)という立場を示している。中国は今年、改革・開放政策導入から40周年の節目を迎えており、会談を通じて3カ国の経済連携強化を目指している。
さらに日本や韓国と共に自由貿易体制を堅持しながら、経済関係を強化する姿勢を示し、トランプ米政権をけん制する思惑もある。
中国側は、習主席が提唱したシルクロード経済圏構想「一帯一路」に安倍首相が前向きな発言をしていることも評価。李首相は一連の会談で、日本側のさらなる積極的関与を求める構えだ。(時事)
(2018/5/8 21:00)