[ 政治・経済 ]
(2018/5/18 05:00)
天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位に伴う改元に向け、政府は17日、関係省庁幹部でつくる「新元号への円滑な移行に向けた関係省庁連絡会議」(議長:古谷一之官房副長官補)の初会合を開き、新元号の公表時期を2019年5月1日の改元の1カ月前と想定し、情報システム改修などの準備作業を進めることを決めた。
新元号の公表時期について政府が一定のめどを明らかにしたのは初めて。国民生活にできるだけ支障が生じないようにする狙いがある。天皇陛下と新天皇の「二重権威」を回避する観点から、来年2月の天皇陛下の在位30年記念式典以降とする方向で調整していた。ただ、最終的な公表時期は首相の判断に委ねられる見通しだ。
決定によると、各府省庁は、個々に管理する情報システムについて、基本的に改元日に間に合うよう改修を終了。外部とつながっているシステムも同様の扱いとするが、間に合わない場合は当事者間で、①新元号への切り替え時期を調整②「平成」と新元号のどちらでもやりとりできるよう調整―して対応する。
運転免許証など証明書や通知書に「平成」が残るケースへの対応も今後検討する。連絡会議は対応策として、①訂正印による修正②表記が「平成」のままでも有効だと所持者に通知③希望者には新元号が表記されたものに交換―などを例示した。
この結果、システムや証明書によっては、来年5月1日以降も「平成」を一定期間使い続けることになりそうだ。各府省庁は関連する業界や地方自治体に、改元1カ月前の新元号公表を想定して準備を進めることを伝えるとともに、これを踏まえて適切に対応するよう要請する。
菅義偉官房長官は会議後の記者会見で公表を1カ月前とした理由について「官民の取り組み状況を確認したところ、システム改修に1カ月程度は必要だ(との回答だった)」と説明。ただ、具体的な公表時期については「国民生活への影響を考慮し、適切に検討を進める。現段階では何も決まっていない」と述べるにとどめた。(時事)
(2018/5/18 05:00)