[ 政治・経済 ]
(2018/5/23 16:30)
【ワシントン=時事】ムニューシン米財務長官は22日の議会証言で、米政権が3月に発動した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限措置を、中国に対し今後も続ける考えを示した。米中は先週の貿易協議で「互いに追加関税を控える」ことで合意したが、中国による鉄鋼の過剰生産が米国に深刻な影響を与えていることなどを考慮し、措置を継続するとみられる。
米中は、まだ計画段階にある制裁、報復関税は当面棚上げする方向だ。米国は、中国の知的財産権侵害に対抗して500億ドル(約5兆6000億円)相当の同国製品に高関税を課す制裁と、追加で検討していた1000億ドル(約11兆円)規模の制裁をいずれも留保する。これに対して中国は、米国産大豆などへの報復関税を見送るとしている。
一方、トランプ米大統領は22日、米中協議の結果に「満足していない」と語り、対中貿易赤字の削減に向けて一層譲歩を求めていく考えを明らかにした。米国企業との商取引が禁じられた中国通信機器大手、中興通訊(ZTE)に対する現行の制裁措置を見直す上で、最大13ドル(約1400億円)規模の罰金や、経営陣の大幅な刷新を条件とする可能性も示した。中国は、ZTEの制裁見直しを強く求めている。
(2018/5/23 16:30)