[ ICT ]
(2018/6/6 16:00)
米フェイスブックは5日、華為技術(ファーウェイ)など中国の消費者向け端末メーカー4社とデータ共有で提携していたことを明らかにした。フェイスブックの社外に個人情報が渡った経緯についてユーザーへの説明を一貫して怠ったとの懸念を強めるものだ。
この発表に先立ち上院情報特別委員会の民主党トップ、ウォーナー議員(バージニア州)は5日、フェイスブックによる中国の端末メーカーとのユーザー情報共有について「深刻な危険」があると指摘した。フェイスブックは自社アプリのカスタム版作成でスマホメーカーを支援するのが提携の狙いだったとした上で、慎重に対応していると説明した。ただ、提携がユーザーに明確に知らされていない場合、プライバシーに関する同社慣行への監視が強まる見込みだ。
フランシスコ・バレラ副社長(モバイル提携担当)は発表資料で「華為やレノボ、OPPO、TCLとの提携は最初からコントロールされている」とした上で、「議会の関心を踏まえ、こうした提携で入手された全ての情報が華為のサーバーではなく端末に保存されていることを明確にしたい」と述べた。
米紙ニューヨーク・タイムズは3日、フェイスブックが端末メーカー約60社との合意でユーザーとその友人の大量の情報へのアクセスを数年間にわたって認めていたと報じた。
ウォーナー議員はフェイスブックの公表後に「フェイスブックが同社のAPIへの特別なアクセスを華為やTCLなどの中国の端末メーカーに認めていたとのニュースで合法性への懸念が生じている」とした上で、「フェイスブックのユーザー情報が中国のサーバーにどうやって渡らないようにしたかをもっと調べたい」と述べた。
フェイスブックの発表を受けて同社の株価は時間外取引で下落。通常取引終値は0.2%安の192.94ドルだった。(ブルームバーグ)
(2018/6/6 16:00)