[ 政治・経済 ]
(2018/6/10 16:00)
次世代ステルス戦闘機「F35」の重大な欠陥の修正をフル生産開始の決定後まで先送りする米国防総省の方針について、政府監査院(GAO)はこの計画の担当部署を批判した。決定は2019年10月より前には行われない見通し。
GAOが5日公表した年次報告書によると、F35には1月時点で「未解決の欠陥」が966件ある。このうち少なくとも180件は国防総省の現行計画では「フル生産前に解決されない」見通しという。
フル生産を決定すれば、向こう12年間にわたって年間77機以上(今年は70機)の生産をコミットすることになり、ピークの2023年には105機が生産(年間コストは134億ドル)され、その水準が6年間維持されることなる。
米ロッキード・マーティンが手掛けるF35は今年、17年越しの開発段階が終了する予定。9月からは集中的な試験飛行に移る見通しで、終了まで1年かかる公算が大きい。ただスケジュールには既に1年以上の遅れが出ている。フル生産決定の承認は試験飛行が条件だ。
GAOは国防総省がこの1年、「F35開発計画完了で前進した」と認めた上で、「ただゴールを急ぐあまり機体の性能や信頼性、今後数年間の保全性に影響を与えそうな決定を下した」と指摘した。
F35計画担当部署のジョー・デラベドバ報道官は電子メールで「欠陥修正に加え信頼性や保全性の基準達成に向けた手段の確認を求めるGAOの勧告への対応に既に動いている」と説明し、試験飛行に入る前に修正などで「重大な欠陥を全て解決する見込み」だとした。(ブルームバーグ)
(2018/6/10 16:00)