[ 金融・商況 ]
(2018/6/11 06:00)
サッカー人気が非常に高いアルゼンチンの熱狂的ファンなら、ロシアで来週開幕するサッカー・ワールドカップ(W杯)に行くための資金を50%近い金利でも借りると金融機関は期待している。
スペインの銀行ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)の現地部門BBVAバンコ・フランセスは、同行から7年物ローンを借りてリオネル・メッシ選手とチームメートを応援しに行くよう促すテレビコマーシャルを放送。最高100万ペソ(約441万円)を84回払いの返済条件で貸し出す。
根っからのサッカーファンであってもローンに事実上50%の金利を毎年支払うというのは常軌を逸すると受け止めるかもしれないが、アルゼンチンでのインフレ率は25%を超え、中央銀行の政策金利が先月40%に達しているだけに、BBVAのローンにさほど負担感はない。高インフレは資金を借り、お金の価値が下がってから返済するインセンティブになる。BBVAフランセスの個人ローンポートフォリオは1-3月(第1四半期)に前年同期比で80.5%拡大した。
TPCGバロレスでBBVAの調査を担当するアナリスト、フアン・アロンソ氏(ブエノスアイレス在勤)は、「このような金利はアルゼンチン以外の人には正気でないように見えるだろうが、アルゼンチン人はインフレゲームに賭けて返済を先延ばしすることが上手だ。アルゼンチン人は金利を見ず、毎月の支払額を尋ねる。W杯観戦の旅費を7年で返せるチャンスがあれば、借りるだろう」と述べた。
BBVAフランセスのブエノスアイレス在勤担当者は、貸出金利やこのローンを利用して観戦に行く顧客の数などについてコメントを控えた。(ブルームバーグ)
(2018/6/11 06:00)