[ 政治・経済 ]
(2018/6/14 05:00)
成人年齢を20歳から18歳に引き下げる改正民法は13日の参院本会議で採決され、与党などの賛成多数で可決、成立した。女性の婚姻可能年齢は16歳から18歳に引き上げられ、男女とも18歳となる。飲酒、喫煙の開始年齢は現行の20歳を維持。周知期間を経て、2022年4月1日に施行される。
今回の改正は、少子高齢化が進む中、若者の社会参加を促すのが狙い。1876(明治9)年以来140年以上続く大人の定義が変わる大改革で、国民生活に大きな影響を及ぼしそうだ。
引き下げにより、18、19歳は親権の対象から外れ、クレジットカードやローンの契約、自動車など高額商品の購入が自由にできる一方、親の同意がない契約を取り消せる規定の適用外となる。
若者の消費者トラブル増加が懸念されるため、政府は対策を強化する方針だ。恋愛感情に乗じた「デート商法」などによる不当な契約の取り消しを可能にする改正消費者契約法も、今国会で既に成立した。
上川陽子法相は成立を受け、国会内で記者団に「課題にしっかり取り組み、国民の総意で改正が意義あるものにするため、最大の努力をしたい」と強調した。
ただ、野党各党は「拙速で議論が尽くされていない」(立憲民主党)などとして、引き下げに反対しており、政府には十分な対策が求められる。
有効期間10年旅券(パスポート)のほか医師や公認会計士といった専門資格の取得、外国人の帰化ができる年齢も18歳からになる。
一方、飲酒や喫煙、競馬や競輪といった公営ギャンブルの解禁年齢は、健康への悪影響や依存症の懸念を考慮し、現行の20歳に据え置く。国民年金の納付義務が発生する年齢も従来と同じ20歳のままだ。
少年法の適用年齢を現行の20歳未満から18歳未満に引き下げるかどうかには賛否があり、法制審議会(法相の諮問機関)で議論を続けている。(時事)
(2018/6/14 05:00)