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[ 科学技術・大学 ]
(2018/6/14 20:00)
巨大砂嵐で発電できず
【ワシントン=時事】米航空宇宙局(NASA)は13日、火星地表で活動する無人探査車「オポチュニティー」との交信が、10日を最後に途絶えたと発表した。巨大な砂嵐で太陽光が遮られ、十分な動力が得られなくなったのが原因で、長期化すれば低温などのため、既に想定活動期間を大幅に超えている探査車が完全に使えなくなる恐れもある。
NASAによると、砂嵐は5月30日に初めて観測された後、火星地表の約4分の1を覆うまでに巨大化。オポチュニティーは太陽光発電ができず、搭載するバッテリー残量が規定水準を下回ったため、自動的に休眠状態に入ったという。
オポチュニティーは2004年1月に火星地表へ着陸し、当初予定された90日間をはるかに超えて活動している。同時期に火星へ到達した姉妹探査車「スピリット」は10年、クレーターの砂地で身動きが取れなくなり、NASAは翌11年に復活断念を宣言した。想定限度を超える低温にさらされたのが、機能を回復できなかった一因とみられている。
米メディアによれば、NASAの火星プロジェクト責任者は今回、「緊急事態」を宣言。一方、砂嵐が数カ月間に及んでも、限度を超える寒さには見舞われないのではないかと予想し「嵐が過ぎ去って動力が戻れば、再び交信してくるはずだ」と期待を示した。
(2018/6/14 20:00)