[ トピックス ]
(2018/6/20 05:00)
■余震考慮・点検徹底に時間
大阪府北部を震源とする地震発生から一夜明けた19日、鉄道など交通インフラの再開に伴い、稼働を一時停止していた生産拠点の操業を再開する動きが出てきた。通常の通勤が可能になり、設備点検を終えた企業を中心に震災前の生産活動に戻りつつある。ただ余震の影響を考慮したり、安全点検を徹底するため操業再開を見合わせる企業もある。近畿圏の生産体制が震災前に戻るには、もう少し時間がかかりそうだ。
18日の震災直後も操業を継続した企業は多かったが、自宅待機などで操業停止を迫られた企業もあった。
そうした企業の1社であるパナソニックは地震後に従業員が集まらず稼働を見合わせていた航空機向け電子機器やプロジェクターの工場(大阪府門真市)で19日に生産を再開。溶接機を手がける工場(同豊中市)は一部工程の稼働を再開したが、位置ずれを起こした生産設備の復旧作業を同時に進めている。照明機器を担う工場(同高槻市)は震源地に近く、水道やガスなどのインフラ復旧が遅れ、21日をめどに順次稼働する予定。
クボタは地震による安全確認のため、小型建設機械を手がける枚方製造所(同枚方市)を18日に停止していたが、19日に操業を再開した。農業機械などを扱う堺製造所(堺市堺区)も、道路渋滞による部品納入や出荷遅れで18日午後から操業停止していたが、19日に平常操業に戻った。水道管を製造する阪神工場(兵庫県尼崎市)の武庫川拠点では1000度C超の溶解炉があるため、21日まで設備点検の徹底で操業停止する。22日から通常運転に戻す計画。
ホソカワミクロンは地震により交通機関の再開が遅れ、18日の大阪工場(大阪府枚方市)と奈良工場(奈良県五條市)は出社できる人だけでの操業となったが、19日は通常操業に戻った。
一方、整備工場に部品を供給する日野自動車の部品センター「大阪部品デポ」(大阪府摂津市)は19日も出荷を停止した。18日の地震で部品保管棚が損傷したためだ。今週中に部品の整理などを終え、24日から順次供給を再開する。
ダイキン工業も、エアコン用冷媒や半導体製造装置に組み込むシール材料などに使われるフッ素化学品を製造する淀川製作所(大阪府摂津市)について、安全点検を徹底するため18日に続き19日正午時点でも稼働を停止。余震リスクも見計らいつつ、運転再開のタイミングを模索する。
ダイハツ工業も一部の部品供給が間に合わない可能性があったため、19日の昼間は本社工場(同池田市)、京都工場(京都府大山崎町)、滋賀第2工場(滋賀県竜王町)の3工場が稼働を停止した。そのうち2直体制の本社と滋賀第2は同日夜から生産を再開した。20日には全工場が通常稼働へ戻る。
椿本チエインの長岡京工場(京都府長岡京市)は19日も18日と同様に稼働しながら一部の加工設備の点検を継続。工場全体が通常通り稼働するのに1週間程度かかる見通しだ。
(2018/6/20 05:00)