- トップ
- 商社・流通・サービスニュース
- 記事詳細
[ 商社・流通・サービス ]
(2018/6/29 11:30)
米アマゾン・ドット・コムは、オンライン薬局を運営する新興企業ピルパックを買収することで同社と合意した。アマゾンはこの買収を通じてヘルスケア分野に参入するとともに、全国的な医薬品ネットワークを手に入れる。
アマゾンによるピルパック買収は、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンスやCVSヘルスといったドラッグストアチェーンにとっては大きな脅威だ。ニューヨーク時間午前10時18分現在の米株式市場では、ウォルグリーンが10%安。CVSも8.9%の下げとなっている。
買収条件は開示されていないが、関係者によればアマゾンは約10億ドル(約1100億円)をピルパックに支払う。両社の発表によると、買収は2018年下期の完了を見込んでいる。
米国の処方薬市場は巨大だ。米政府によれば、2016年に消費者が処方薬に支出した額は3286億ドル。CVSは昨年、処方薬の売上高を595億ドルと発表。ウォルグリーンの2017年度の処方薬売上高は578億ドルだった。
ピルパックは全米50州全てで通販薬局のライセンスを所持していることから、アマゾンとしては急速に事業を拡大できる。ピルパックはまた、エクスプレス・スクリプツ・ホールディングやCVSといった大手薬剤給付管理(PBM)会社の大半とも業務関係にある。そのためアマゾンは米処方薬市場の大半にアクセスできるようになる。
ピルパックは日時が刻印されたパックに服用するべき複数の薬品をあらかじめ仕分けして梱包し、自宅に配送する。非公開企業である同社は、医薬品の再購入時期の判断や患者の自己負担金の確定、保険の確認といった薬局の日常的な業務の多くを自動化するソフトウエアも展開している。(ブルームバーグ)
(2018/6/29 11:30)