[ 政治・経済 ]
(2018/7/8 07:00)
【北京=時事】香港紙サウス・チャイナ・モーニング・ポストは、中国の空母艦載機「殲15」の欠陥による墜落事故が相次ぎ、代替機の開発が進められていると報じた。中国軍に近い関係筋は同紙に対し、「殲15は操縦系統が不安定だ」と指摘した。習近平指導部は空母を中心とする艦隊の整備を急いでいるが、性能や運用能力については疑問視されてきた。
殲15はロシアのスホイ33を基に設計され、中国初の空母「遼寧」に配備されている。同紙によると、中国軍に近い2人の関係筋は、殲15の墜落事故が少なくとも4回発生したと明らかにした。しかし、中国国営メディアは2件の事故しか報道していない。
2016年4月に発生した事故は操縦系統の故障が原因で29歳のパイロットが死亡した。また、これに近い時期に起きた事故で40代とみられるパイロットが重傷を負った。当初、中国の航空専門家は殲15の設計上の問題ではないという立場を取っていたが、連続して事故が起きたため欠陥があることを認めたという。
殲15に代わる艦載機としては、ステルス戦闘機「殲31」が想定されている。殲31は殲15よりも小型で重量も軽いとされ、12年に初の試験飛行を行った。
中国は米軍の最新鋭機F22に対抗して「殲20」などの国産戦闘機の開発を進めてきた。ただ、米国やロシアの戦闘機に比べると、「エンジンの性能が低く、信頼性は低い」(軍事専門家)と指摘されている。
(2018/7/8 07:00)