[ 政治・経済 ]
(2018/7/11 12:00)
トランプ米政権は消費者が打撃を被ることがないよう、消費財は貿易摩擦の対象から外すとしていたが、この約束はほごにされそうだ。
米通商代表部(USTR)は10日、中国からの輸入品2000億ドル(約22兆2000億円)相当の新たな関税対象リストを発表。同リストは200ページに及んだ。対象品目は野球グローブやハンドバッグ、犬の首輪、デジタルカメラなど。トランプ政権は中国の不公正貿易慣行が是正されなかったことなどが理由だとしている。米中両国は既に、相手国からの500億ドル相当の輸入品への追加関税を発表している。
トランプ大統領はかねて、「貿易戦争は簡単に勝てる」と豪語してきたが、これが本当なのか試されることになる。トランプ政権は新たな関税は消費者への潜在的影響を考慮しているとしているものの、貿易戦争が始まれば勝敗にかかわらず米消費者は打撃を受ける見通しだ。中国からの輸入品の大半は衣料品やハンドバッグ、靴、電化製品だが、これらのほとんどは先の関税対象リストに含まれていなかった。しかし、新たなリストはスポーツ用品やマットレス、一部のアパレル製品、家具などのカテゴリーを含んでいる。
小売事業者経営者協会(RILA)のハン・コーク副会長は新たな対中関税リストが報じられたことを受け、「大統領は『中国には最大限の痛みを、消費者には最小限の痛み』をもたらすという自らの公約を破った。米家計が罰せられることになる」と発表資料で指摘。「貿易に依存する消費者や企業、米雇用が、エスカレートしている世界的な貿易戦争に脅かされている」と論じた。(ブルームバーグ)
(2018/7/11 12:00)