[ ICT ]
(2018/7/17 15:00)
米アップルは世界で最も成長が著しい主要なスマートフォン市場で新たな難題に直面している。事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に語ったところによれば、アップルは「iPhone(アイフォーン)」の販売拡大に苦戦しているインドで、ここ数週間に重要な幹部3人を失った。同幹部は国内営業・流通担当トップや商業経路・ミッドマーケット事業責任者、通信事業者営業責任者だという。関係者の1人によると、インドの営業チームは現在再編を進めている。
こうした幹部流出はインドで続いているアップルの不振を示唆するものだ。同国では高い関税がアイフォーンなどの輸入品価格を押し上げ、消費者は小米やサムスン電子などの比較的安い商品に引き寄せられている。アップルは数世代古いアイフォーンの販売に頼り、国内で最新モデルを生産せず、結果的に輸入関税が生じている。
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)がインドについて「かなり強気」や「非常に楽観的」という表現を使い前向きな発言をしているのとは対照的に、事業は伸び悩み、市場シェアも1桁台だ。
こうした課題に取り組んでいるのが、2017年12月にインドの販売責任者に就任したミシェル・クーロン氏だ。複数の関係者によると、通信事業者が中心となる販売について経験豊富なクーロン氏だが、同氏が率いるチームは市場での取引関係構築がなかなか進まない。またアップルはインドという国を理解するのにも苦労しており、営業チームの方針は迷走しているという。インドの同社担当者に電子メールで取材を試みたが返答はない。(ブルームバーグ)
(2018/7/17 15:00)