[ 政治・経済 ]
(2018/8/13 11:30)
総務省の研究会は10日、海外在住者が国政選挙に参加できる在外投票制度について、インターネットによる投票が可能だとする報告書をまとめた。同省は、2019年度に投票システムの実証実験を実施。20年度以降の公職選挙法改正を目指す。実証に必要な経費を19年度予算概算要求に盛り込む。
取材に応じる野田聖子総務相(10日、時事)
野田聖子総務相は同日の閣議後記者会見で、在外選挙のネット投票に関して「私としては早期に導入することが望ましいと考えている」と述べた。
現行の在外投票は、在外公館での投票や郵送により行えるが、投票用紙を日本に送るのに日数がかかり、投票期間が短いのがネック。現在、在外選挙人名簿登録者は約10万人いるが、投票率は約2割にとどまる。
このため研究会はネット投票の可否を検討。マイナンバーカードの個人認証機能で本人確認すれば、技術的なハードルはクリアできるとした。同省は実証実験を通じて、投票の秘密が確保されるかなどセキュリティー面の課題を検証する。
マイナンバーカードは現在、海外転出時に失効するため、実現には海外でも利用できるよう公的個人認証法を改正する必要がある。
報告書はこの他、17年衆院選で台風の影響により離島から本土の開票所へ投票箱を運べず、開票作業が遅れた例があったことを受け、現地にも開票所を設ける措置の要件緩和を提言。災害など緊急時に、開票立会人の人数を現行の3人以上から2人以上にする。(時事)
(2018/8/13 11:30)