[ 政治・経済 ]
(2018/8/16 16:30)
【ワシントン=時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は15日、米国が敵対勢力にサイバー攻撃を実施する際の制約をトランプ政権が緩和したと報じた。さまざまな政府機関による事前の承認が必要と定めたオバマ前政権の方針を転換し、サイバー攻撃を実施しやすくしたという。
トランプ大統領が同日、サイバー攻撃に関する方針を定めた機密命令文書に署名した。具体的な内容は不明だが、より強力な対応を取ることで、他国からのサイバー攻撃による選挙介入や知的財産の窃盗などを抑止するのが狙い。ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)が現在のポストに就任した4月以降、新方針の策定を主導していたという。
前政権下の旧方針では、米情報機関による進行中のスパイ行為などを妨害しないよう、サイバー攻撃前に多数の政府機関から承認を得る必要があった。一部の議員からは、こうした制約が攻撃実施の主体となるサイバー軍の足かせになっていると批判の声が上がっていた。
ただ、専門家は旧方針の欠点を認める一方、「他の政府機関との連携が不足したままサイバー攻撃を実施すれば、何年もかけて緻密に計画された対外情報収集活動を台無しにする恐れがある」と述べ、制約を緩和することの危険性も指摘している。
(2018/8/16 16:30)