[ 政治・経済 ]
(2018/9/27 17:00)
中国市場参入を目指すソーシャルメディア界の巨大企業、米フェイスブックが中国の政治問題に巻き込まれた。香港警察が同社に対して中国からの香港独立を主張する政治団体「香港民族党」の公式ページを削除するよう求めている。
香港当局は24日、民族党に対し活動禁止を命令。中国への返還後、香港で政治団体が活動禁止となったのは初めて。禁止措置は同党を支援した人物に対する罰金や身柄の拘束を盛り込んでいる。香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、民族党の活動禁止発表後に香港当局がフェイスブックに同党のページ削除を要請したと伝えた。
中国政府は本土でメディア機関を検閲しフェイスブックのほかツイッターとアルファベット傘下のグーグルを禁止しているが、香港では報道とインターネットに関する規制は比較的緩い。香港時間26日午後の時点で、フェイスブックで民族党のページは引き続き閲覧可能となっている。
香港警察はSCMPの報道についてコメントを控えたが、法律に基づき監視し証拠を集め、状況に応じて適切な執行措置を取ると説明した。フェイスブックの広報担当者にコメントを求めたが、今のところ返答はない。香港警察がツイッターやグーグル傘下のユーチューブに民族党の公式ページの削除を求めたかどうかは不明。
民族党の陳浩天党首はコメントを控えた。ただ、活動禁止命令後はフェイスブック上の同党のページを使っていないことを明らかにした。近く記者会見を開き質問に答えるとも述べ、会見日時の発表には陳党首が個人としてフェイスブックに持つページを使うことを示唆した。(ブルームバーグ)
(2018/9/27 17:00)