[ ICT ]
(2018/10/7 07:30)
サウジアラビアの政府系ファンドは、ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長が計画する第2のビジョン・ファンドに450億ドル(約5兆1170億円)出資する。1本目への拠出と合わせると、出資額は900億ドルに倍増することになる。
サウジの公共投資ファンド(PIF)は、サウジ基礎産業公社(SABIC)の持ち分売却や国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)などによって向こう3-4年で1700億ドルの資金が入ると見込んでおり、その活用方法を探している。PIFの会長を務めるムハンマド皇太子がブルームバーグとの インタビューで明らかにした。
ムハンマド皇太子は、PIFが第2ビジョン・ファンドへの主要な出資者となることを望んでいると説明。「われわれは1本目への出資で大きな恩恵を受けている。PIFとしては、1本目への450億ドルの出資で最初の1年に多額の収入を目にしていなければ、さらに450億ドルを出資するようなことはしない」と語った。
孫氏は2本目のビジョン・ファンドで1000億ドルの調達を目指している。
PIFは世界最大の政府系ファンドになる戦略を2016年に発表して以来、大胆な投資を行ってきた。その多くは、まだ黒字化していないテクノロジー企業が対象となっている。1本目のビジョン・ファンドへの出資以外では、ウーバー・テクノロジーズに35億ドル出資したほか、テスラの株式を5%近く取得した後にそのライバルのルーシッドにも10億ドル出資した。PIFはさらに、ブラックストーン・グループが運営する米インフラファンドに200億ドル出資することでも合意している。
ムハンマド皇太子は、ソフトバンクの第2ビジョン・ファンドへの投資がPIFの資産拡大に寄与すると指摘。PIFの資産は「現在3000億ドルを上回っており、4000億ドルに近づいている。20年の目標は6000億ドル前後だ。20年にこの目標を突破すると考えている」と語った。(ブルームバーグ)
(2018/10/7 07:30)