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[ 科学技術・大学 ]
(2018/10/8 21:00)
【ロンドン=時事】スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2018年のノーベル経済学賞をいずれも米国籍のウィリアム・ノードハウス米エール大教授(77)とポール・ローマー米ニューヨーク大教授(62)の2氏に授与すると発表した。気候変動や技術革新(イノベーション)に関するそれぞれの研究で、持続的な経済成長と人類の福祉に貢献した功績が認められた。
ノードハウス氏は気候変動と経済成長に関する計量分析の第一人者。二酸化炭素に代表される温室効果ガスを削減する最も効果的な対策として「炭素税」の導入を提唱するなど、気候変動問題の大家として知られる。一方、ローマー氏は技術革新が長期的な経済成長を生み出す仕組みを分析した「内生的成長理論」の発展に貢献した。
気候変動対策の国際枠組み「パリ協定」から米国が離脱を表明する中、今回の発表は温暖化問題に焦点を当てることになりそうだ。ローマー氏は受賞が決まった後の電話スピーチでノードハウス氏の研究との類似性について触れ、「二酸化炭素の排出を減らすことは間違いなく可能だ。今こそ正しいことを始める時だ」と訴えた。
授賞式はストックホルムで12月10日に行われる。賞金の900万スウェーデンクローナ(約1億1200万円)は、2人で等分される。
【略歴】ウィリアム・ノードハウス
1941年米ニューメキシコ州生まれ。67年マサチューセッツ工科大(MIT)で博士号取得。エール大教授。
【略歴】ポール・ローマー
55年米コロラド州生まれ。83年シカゴ大で博士号取得。ニューヨーク大教授
(2018/10/8 21:00)