[ 政治・経済 ]
(2018/10/22 17:00)
【ワシントン=時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は21日、トランプ政権が連邦法上の性別に関する定義を厳格化し、出生時の性から変更できないようにすることを検討していると報じた。心と体の性が一致しない「トランスジェンダー」を法的には認めないことになり、性的少数者や人権団体から懸念や反発が起きそうだ。
タイムズ紙が入手した厚生省のメモは、連邦政府機関が「明確、科学的、客観的かつ管理可能な生物学的根拠」に基づく性別の定義を採用する必要があると記載。性別に関し異議がある場合は遺伝子検査で決定し、出生時の性からの変更は「遺伝子による信頼できる証拠」がなければできないとした。
同紙によれば、米国内では性転換手術を受けた人を含め、推定140万人がトランスジェンダーと自認している。メモ内容が実行された場合、関連法の運用が変わり、連邦から資金を受ける学校や福祉施設などの運営に影響が出る可能性もある。
オバマ前政権は性的少数者に関して比較的柔軟に対応していたが、保守強硬派の支持を受けるトランプ政権は方針を転換。昨年7月にはトランスジェンダーの米軍入隊を禁じる方針を打ち出したが、裁判所の違法判断を受け、国防総省は入隊を容認している。
(2018/10/22 17:00)