[ ICT ]
(2018/10/25 05:00)
中国当局は暫定的な認可プロセスを通じたゲームライセンスの発行を終了した。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。世界最大のゲーム市場で、新たなタイトルを出す、残る最後の公式手段を閉ざすことになる。
非公開情報だとして匿名を条件に話した関係者によると、「グリーンチャンネル」として一般的に知られるプロセスによるゲームライセンスの発行はもはや行われていない。中国政府が今年に入り暴力やギャンブル、センシティブなテーマに関連していないかを審査する方法を見直すと決めたことを受け、8月にはこの認可メカニズムが導入されていた。
380億ドル(約4兆2700億円)規模の中国ゲーム市場での新たな規制は、テンセント・ホールディングス(騰訊)やネットイーズなどゲーム企業の時価総額を脅かすほか、ゲーム業界を規制する中国共産党の長期的な方針を巡る不透明感も強まる。オンラインやモバイル、コンソール型ゲームに影響した前回の制限では中国のゲームメーカーだけでなく、カプコンやネクソン、コナミホールディングスの株価も軒並み下げた。
一部のアナリストは9月までにゲーム認可の凍結が終わると見込み、グリーンチャンネルはそれまでゲーム業界を支える一時的な解決策とみていた。
関係者によると、グリーンチャンネル経由の認可は今月時点で完全にストップした。同チャンネルは公式な認可プロセスの前に、ゲームへのユーザーの反応を試す余地をメーカーに与える役割を担っていた。実際にはライセンス凍結を受けて、一部のメーカーにゲームタイトルで稼ぐ限られた手段を提供していた。
ゲーム業界ではこうした逆風を受けて代替策を探る動きも出ている。認可凍結で中国のゲーム企業が自社のライセンスを最大50万元(約811万円)で売るグレーマーケットも出現していると関係者の1人が話した。最近になって価格が約20万-30万元に下落しており、近く認可が再開されると一部が見込んでいたことを示していると語った。
中国の担当政府機関にファクスでコメントを求めたが、今のところ返信はない。テンセントの広報担当者に電話と電子メールでコメントを求めたが、返答はなかった。(ブルームバーグ)
(2018/10/25 05:00)