[ オピニオン ]
(2018/11/2 05:00)
パリのエッフェル塔ならぬ高層ビル。鉄道をくぐり抜けるアンダーパスでは、本場同様の駆け引きが―。世界最高峰の選手らが集う自転車ロードの国際大会「2018ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」が4日、さいたま新都心駅周辺で開かれる。
今回が6回目で、フランス本大会で総合優勝した英国選手ら72人が出場する。ファンならずとも、1人の選手のために仲間がアシストするチーム競技を堪能できそうだ。
さいたま市は大きな節目を迎える。実施主体を2019年度以降、市から民間の「さいたまスポーツコミッション」に移す方針。今回の開催に約2億7000万円を投じるなど市の財政負担は軽くなく、継続には収益性を高める必要もあるからだ。
レースは公道で行われ、「自転車文化の定着」を狙う市の関与は今後も続く。さらに、このクリテリウムを跳躍台に「自転車プロチームの誘致やスポーツ科学などの振興を図っていく」と市のスポーツ政策室は意気込む。
スポーツビジネスは国の成長戦略の柱の一つ。政府は、2025年のスポーツ市場規模を15年比3倍の15兆円に拡大させるとの目標を持つ。見て楽しむ競技の周辺にも、新産業の“種”が詰まっているようだ。
(2018/11/2 05:00)