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[ 自動車・輸送機 ]
(2018/11/21 09:00)
仏ルノーは20日、同社の会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるカルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、ティエリー・ボロレ最高執行責任者(COO)を暫定的な経営トップに指名した。ゴーン容疑者については判断を保留し、解任には踏み切らなかった。
今年2月にCOOに就任して以来、ゴーン容疑者の後継者と目されていたボロレ氏(55)はゴーン容疑者と同等の権限を有する暫定副CEOとなる。ルノーが20日遅く発表資料で明らかにした。フィリップ・ラガイエット氏は筆頭社外取締役として取締役会を率いる。
ルノー取締役会はゴーン容疑者に対して何の措置も取らず、日産に対し、同容疑者の不正容疑に関する調査結果を提供するよう求めた。事情に詳しい関係者によると、ルノーの取締役会は日産との対立がエスカレートしないように慎重なアプローチを取り、アライアンスの構造の先行きについて深くは議論しなかったという。
ルノー取締役会は発表資料で、「現段階では、日産と日本の司法当局によって集められたとみられるゴーン氏に関する証拠に対し、取締役会はコメントできない」と説明した。
事情に詳しい同関係者は、日産・ルノー連合の今後に関するルノー取締役会の他の議論は、日産取締役会がゴーン容疑者について決定を下すまで先延ばしにされると語った。
フランス・ブルターニュ地方出身のボロレ氏は仏自動車部品フォルシアの副社長まで上り詰めた後、2012年にルノーに入社した。同氏はフォルシアの前、仏タイヤメーカーのミシュランにゴーン容疑者と同じ時期に勤務していた。ゴーン容疑者はボロレ氏について、ルノーCEOの「良い候補」だと述べていた。
ゴーン容疑者は有価証券報告書に自らの報酬を過少に記載していた容疑で逮捕された。さらには、日産自動車の資金を私的に流用した疑いもかけられている。この結果、ゴーン容疑者の強い後押しにより維持されていたルノー・日産・三菱自動車の3社連合の将来に暗雲が垂れ込めた。事情に詳しい関係者3人によると、日産の西川広人社長は19日、ルノー取締役会に対し、日産・ルノー連合を統括するルノー日産BV(オランダ)の財務不正の可能性を日産は調査していると伝えた。
ルノーの筆頭株主であるフランス政府はゴーン容疑者の代行を求める中で、同容疑者と距離を置いた。ルメール財務相はゴーン容疑者は「グループを率いる立場にない」と述べたが、解任を要求するには至らなかった。(ブルームバーグ)
(2018/11/21 09:00)