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[ 科学技術・大学 ]
(2018/12/2 08:30)
【ロンドン=時事】メイ英政権は1日、来年3月末に予定される欧州連合(EU)離脱に伴い、全地球測位システム(GPS)のEU版「ガリレオ」計画から脱退すると発表した。代わりに自前のシステムを構築する方針だが、宇宙政策でも欧州の亀裂が露呈した格好だ。
英国はガリレオ開発のため、EU加盟国として計約12億ポンド(約1700億円)を拠出。民生利用は可能だが、離脱後はEU域外国となるため、警察や救命救急、国境警備など安全保障に関わる政府専用サービスの設計・開発から締め出される。英国は離脱交渉で開発への参加継続を要請してきたが、EU側は首を縦に振らなかった。
メイ首相は「軍を不確かなシステムに依存させるわけにはいかない。(EUの)締め出し決定を踏まえると、代替案を模索するのが正解だ」と説明した。
ただ、自前のシステム開発費は40億ポンド(約5800億円)前後に上る見込みで、実現までに曲折が予想される。また、ガリレオ計画脱退に対し、ジーマー高等教育担当閣外相が「政府のEU離脱合意案の下で起きる事態の前兆」と抗議の辞任。11日に下院で行われる合意案の採決で反対票を投じると表明した。
(2018/12/2 08:30)