[ オピニオン ]
(2018/12/7 05:00)
師走に入ったという実感が湧かない。例年より暖かい日も多くて、冬が到来したと感じられないせいだろう。運動も苦にならないような気候だ。とある週末、おいっこが通う保育園の運動会を見学した。
しかし、当日はあいにくの曇天模様。最初はなんとか保っていたが、徐々に雨脚が強まる。それでも保育士の方々は「園児たちのこれまでの練習の成果を無にすまい」と奮闘。演目を省略し、出番のない園児は室内で待機するなど、工夫と対策をしながらプログラムは進む。
中盤に差し掛かり、ついにざあざあ降りに。雨で滑って思ったように演技ができず、泣きだす子も出始めた。「ここまでか」。応援していた保護者らも、子どもの体調を案じ店じまいの気配だ。
と、その時「お忙しい中、応援に来てくださいました!ごあいさつをいただきます」とのアナウンスで登場したのは、その自治体の首長。寒さで震えながらもけなげに整列する園児を前に「子育て支援に力を入れる」とアピール。演説は5分ほど続いた。
現場の実態を把握できなければ、適切な判断はできない。昨今立て続けに起こっている不正問題や、世論とずれた国会審議の根本を見たように感じたのは、気のせいだろうか。
(2018/12/7 05:00)